OODAとは?
OODAループは、観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)- ループ(Implicit Guidance & Control, Feedforward / Feedback Loop)によって、健全な意思決定を実現するというものであり、理論の名称は、これらの頭文字から命名。
監視・観察と訳される。意思決定者自身が直面する、自分以外の外部状況に関する「生のデータ」 (Raw data) の収集を意味する。
情勢への適応 (Orient)
「情勢への適応」]あるいは状況判断と訳される。「観察」段階で収集した「生のデータ」をもとに情勢を認識し、「価値判断を含んだインフォメーション」として生成する段階である。
ボイドは、この段階をビッグ Oと称して、特に重視していた。意思決定者は、下記の5つの要素から構成される「判断のための装置」により、「データ」から「インフォメーション」へと加工していく。
文化的伝統(Cultural Traditions)
分析・総合(Analysis & Synthesis)
従来の経験(Previous Experiences)
新しい情報(New Information)
世襲資産(Genetic Heritage)
「世襲資産」、「文化的伝統」、そして「従来の経験」がなければ、従来経験した環境と変化によって形成された精神物理学的能力についての含蓄的レパートリーを持ちえない。また各分野の領域の、あるいは各種の競合及び独立的なチャンネルにまたがって取得する情報の「分析および総合」がなければ、よく精通していない現象または見たこともない変化に対処するための新しいレパートリーを展開することはできない。そして多くの異なった領域およびチャンネルにまたがる取得情報についての推定、感情移入、相関および拒否という多側面の含蓄的な相互参照のプロセスがなければ、「分析・総合」はなしえない。
各人の「判断のための装置」は当然のごとく各人ごとに異なっており、いかなる環境においても適切に動作する保証はない。また、組織のレベルに拡大して、複数の意思決定者が存在する場合、これらの間に齟齬が発生することも珍しくない。このようにして、OODAループがこの段階で止まってしまい、次の「D」に入れない恐れも多分にある。そのような場合をOO-OO-OOスタックと称する。
「情勢への適応」段階で判断された情勢をもとに、行動として具体化するための方策・手段を選択し、場合によっては方針・計画を策定する段階である。
実施の可否、実施する場合には実施すべき順序および採用すべき手段、最終的な実施指令が含まれる。また、実施状況を離脱する場合には離脱する経路の決定、状況によってはここから「観察」の段階に戻ることもある。
「意思決定」段階で採択された方針に基づいて、指揮官の意図・命令を踏まえて、実際の行動に移る。